台風15号 愛知県で初の線状降水帯発生情報

9月23日、南の海上で台風15号が発生しました。中心付近の最大風速は18m/sで、台風としてはギリギリの勢力を保ちながら、発生当日には東海地方の南の海上まで北上してきました。接近前から大雨が降り、愛知県では線状降水帯発生情報が運用後初めて発表され、静岡県では記録的短時間大雨情報も相次ぎました。台風15号の雨量についてまとめます。

目次

台風15号の動き

台風発生時の進路予報
台風15号経路図

9月22日午前3時に熱帯低気圧情報が発表され、翌23日の午前9時に台風15号が発生しました。台風15号は中心気圧が1000hPaを切ることなく、中心付近の最大風速もずっと18m/sであり(速報値)、台風としての勢力はそれほど強いものではありませんでした。

ただ、熱帯低気圧の時から中心の北側に雲がまとまっているのが特徴で、東海3県では接近前から大雨となりました。

雨量振り返り 顕著な大雨に関する気象情報(線状降水帯発生情報)も

東海3県への最接近は23日夜遅くから24日朝までの見込みでしたが、雨のピークはもっと前からやってきていました。

23日の雨雲の様子

三重県には朝から活発な雨雲がかかり、三重県志摩市付近では、午後2時半までの1時間に約120ミリの雨が解析され、記録的短時間大雨情報が発表されました。昼前には愛知県や岐阜県にも発達した雨雲がかかり、大雨や洪水警報の範囲も次第に広がりました。

土砂災害警戒情報が、午後2時50分に三重県伊勢市・鳥羽市・志摩市に、また午後5時50分には西尾市・蒲郡市・田原市・幸田町に発表されました。

そして愛知県には顕著な大雨に関する気象情報が、2021年6月17日に運用開始されてから初めて発表されました。

23日17時39分 顕著な大雨に関する愛知県気象情報 第1号
愛知県東部では、線状降水帯による非常に激しい雨が同じ場所で降り続いています。命に危険が及ぶ土砂災害や洪水による災害発生の危険度が急激に高まっています。

23日17時49分 顕著な大雨に関する愛知県気象情報 第2号
愛知県西部、東部では、線状降水帯による非常に激しい雨が同じ場所で降り続いています。命に危険が及ぶ土砂災害や洪水による災害発生の危険度が急激に高まっています。

23日22時49分 顕著な大雨に関する愛知県気象情報 第3号
愛知県東部では、線状降水帯による非常に激しい雨が同じ場所で降り続いています。命に危険が及ぶ土砂災害や洪水による災害発生の危険度が急激に高まっています。

また、静岡県では記録的短時間大雨情報が16回も発表され、猛烈な雨があちらこちらで降り記録的な雨量となりました。

23日に降った雨の量は、志摩半島や愛知県で9月ひと月分の雨量を大きく上回り、田原市伊良湖ではほぼ1日でひと月分の雨が降った計算になります。日降水量の最大値も各地で更新しました。

大雨の原因は

様々な気象条件が重なり、記録的な大雨となりました。北西からの冷たい空気と台風の暖かく湿った空気の境目や地形の影響で雨雲が発達したこと、寒冷前線の前面で上昇気流が起こりやすかったこと、東海道沖の海面水温が高かったこと、台風の移動速度が遅かったことなどが考えられます。

静岡県の辺りにシアラインがあります

日本の南海上の海面水温は27℃くらいあり、特に東海道沖は平年よりも高い状態でした。

台風最接近前から、海面水温の高い海からたっぷり水蒸気を補給できたことも一因だったのかもしれません。

また、今回の台風の移動速度は20km/h程度と比較的遅く、雨雲の移動速度も遅い傾向にありました。

台風15号の反時計回りの風にのって暖かく湿った空気が流れ込み、地形の影響で上昇気流が発生し、雨雲が発達していることが分かります。

被害

のちほど追記します。

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