寒冷渦が南下し、22日夜~24日朝にかけて日本海を東進。
大雪の目安となる北・東日本に500hPa-39℃以下の寒気が流入、850hPa-12℃以下の寒気が西日本に流入し、
北~西日本の日本海側を中心に広い範囲で大雪となりました。
雪雲の走行はシアーライン通過後は、次第に風向きが西→北寄りに変化し、濃尾平野にも雪雲が流れ込みやすくなりました。名古屋でも初雪がそのまま積雪となり、予想を上回る記録的な積雪となりました。
当日の気圧配置など
顕著な大雪に関する気象情報が12月23日午前8時16分に石川県金沢市に、
23日17時25分と20時13分に山形県に発表されていました。
また、今回の寒気は西回りで流れ込んでいたのが特徴で、
東海地方で大雪になる前は、すでに四国の平地でも大雪となっていました。
23日夕方時点の予想と実況のズレ
降雪量
予想
実況
岐阜県の山地では予想ほどの降雪量にはならなかったものの、平地ではいずれも予想よりも降雪量が多くなりました。名古屋においては、ウェザーマップの独自予報で上振れで降水量10mm以上を予想していました。
雪の降り出すタイミング
予想
実況
アメダス1分値では、岐阜市では午前3時11分に雪を観測、午前4時59分に積雪1センチとなり、午前7時35分に積雪11センチに。名古屋では午前5時36分から雪を観測し、午前6時5分に積雪1センチに。午前7時46分に積雪10センチに達し、午前9時1分まで積雪10センチとなった。MSMよりもGSMの方が降り出すタイミングは近かった。より気温の低い明け方から降り出したことで、短い時間での積雪につながった。
雲頂高度
予測
実況
名古屋市周辺にも雲頂高度6~8kmと雪雲としてはかなり背が高く、予想の2倍ほどだった。それだけ大気の状態が不安定となり、雪雲が発達しやすい場だったことがうかがえる。
そのほかに大雪となった原因
上空寒気
■500hPa気温(23日09時・21時・24日9時)
輪島(-39.7℃・-38.5℃・-30.7℃)
潮岬(-21.4℃・-23.4℃・-28.1℃)
■700hPa気温(23日09時・21時・24日9時)
輪島(-19.3℃・-18.3℃・-15.5℃)
潮岬(-19.1℃・-19.5℃・-11.8℃)
■850hPa気温(23日09時・21時・24日9時)
輪島(-7.9℃・-7.4℃・-4.9℃)
潮岬(-6.7℃・-7.7℃・-0.8℃)
大雪の目安は500hPaで-36℃以下、700hPaで-21℃以下、850hPaで-12℃以下(下表はGPV解析値)。
海面水温
日本海の海面水温は平年より高い状態が続いていて、この影響があまり数値予報には加味しきれていなかった可能性もあります。
大雪の影響
東海道新幹線は雪の影響で速度を落として運転を行ったため、最大49分の遅れが出ました。
各在来線でも電車の遅れが発生しました。
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