3歳子連れデスバレー旅行記|気象予報士ママが行く!絶景スポット&ホテル体験【前編】

A family trip to Death Valley, the place holding the world’s highest recorded air temperature, guided by a weather forecaster

こんにちは、ロサンゼルス在住の気象予報士・太田絢子です。

先日念願叶って、ずっと楽しみにしていたデスバレー国立公園に行くことができました!

グランドキャニオンを超える国立公園にはなかなか出会えないと思っていましたが、同じぐらい良かったです


しかし、ここは世界最高気温の記録をもつデスバレー

子連れで行っていいの? いつがいいの? オススメスポットは? などなど、2泊3日の旅程とともに、前編・後編に分けてお届けします!

目次

デスバレー国立公園 概要

100年以上、世界最高気温1位の記録を保持し続ける場所

デスバレー国立公園は、アメリカカリフォルニア州を中心に、一部ネバダ州にもまたがる、アメリカ本土最大の国立公園です。


この地が有名なのは、なんといっても、世界で最も高い最高気温が観測された場所であるということ

デスバレーと一言で言ってもその敷地はかなり広大で、面積はなんと東京都の約6倍


気象の観測拠点は複数あり、厳密にいうと世界最高気温を観測したのは、ファーネス・クリーク(Furnace Creek)というところで、1913年7月10日、134℉が観測されました

℃に換算すると約56.7℃なので、サイトによっては57℃と表記されていることもあります。

この記録をピークに、5日連続で129℉(約54℃)以上を観測したというから驚きです。

気象予報士として、こんなにも心躍る場所はそうそうありません。

デスバレーの気温概要

デスバレーの年間気温と降水量の概要表
NOAA資料を基に、℉は℃に、in.はmmに変換して作成

4~10月は最高気温が30℃以上、特に6~9月は40℃超えが当たり前


デスバレーには北米で最も標高が低い地点(海抜約-86m)である、バッドウォーター・ベイスン(Badwater Basin)があることでも有名ですが、一方で周囲は高い山々に囲まれています。

中でも最も高いのはテレスコープ・ピーク(Telescope Peak)で、標高はなんと3,368m

こうした極端な標高差と地形が、デスバレー特有の極度の高温と乾燥を生み出しているのです。


National Park Serviceのウェブサイトによると、春が観光には最も人気の季節で、3月下旬~4月上旬が花の見ごろを迎えるそうです。

私は4月20日ごろ行きましたが、鮮やかな色の花はほとんど見かけませんでした…!


また、すでに35℃くらいまで気温が上がっていて、これでも子連れの観光にはギリギリ。

昼過ぎの時間帯はあまり出歩かないようにしました


レンジャープログラムは通常11月中旬から4月中旬までということですから、逆にこれ以外の時期は公式にはオススメできないとも受け取れますね。

夏は夜でも30℃を下回らず、冬でも氷点下になることはまれです。


デスバレーというと乾燥した砂漠、というイメージがあるかもしれません。

年間降水量は50mmほどとかなり少ないですが、夏の終わりや冬を中心に嵐がやってきて、鉄砲水が起こることもあります

なので、訪れる前に天気予報のチェックは必須です。


また私たちが訪れたときもそうでしたが、春は雨が降らなくても風が強いこともあります

この点と併せて、Visitor Centerで確認するのもいいですね。

春休みシーズンの3月中旬から4月下旬にかけては、込み合うため、キャンプ場宿泊施設は早めに予約することをオススメします


デスバレーの天気はNOAAのウェブサイトからも確認できます!

1日目:強風で計画変更

LAから北側のルートで向かう

私たちは朝7時にLAの自宅を出発しました。

2時間半ほど経ったところで休憩を取る予定だったのですが、ここでアクシデントが…。

汚い話で恐縮ですが、娘が車酔いで戻してしまった上に、まだトイレトレーニングを完了しておらず、おもらしもしてしまったんですよね。


なので急遽1時間経ったところのスーパーで休憩し、ここでガソリンも入れました。

その後は順調に進み、11:30ごろ、ようやくデスバレー国立公園の看板に到着

デスバレー国立公園の入り口にある公式サイン
ちゃんと見ていないと見逃してしまいそうなくらい突然現れます

しかし、ここからがさらに長かった…

前述したように、デスバレー国立公園は海抜がかなり低いので、どんどん下っていきます。

しかもただ下るだけではなく、上下しながら下っていくので、ジェットコースターのようにふわっとする瞬間もあるんです。

デスバレーに続くアップダウンの激しい一本道
起伏の激しい直線道路。

かなり耳鳴りもするので、娘にとっては大変でした…

12:00すぎ、ようやくジェネラルストア(GENERAL STORE)に到着し、トイレ休憩!


ここにたどり着くまで、本当に長い間トイレがないです

なので、心配な場合は簡易トイレを車に積んでいくことをオススメします。

ストーブパイプウェルズのジェネラルストア外観
デスバレーのストーブパイプウェルズにある売店。

色々なものが売っていますが、ものによっては少し値段はお高め(ビジターセンターで$2~3ほどのステッカーが、ここでは$5以上しました)。

ビジターセンターやホテルの売店でも十分かと思います。


そしてこの日、最初はメスキート・フラット砂丘(Mesquite Flat Sand Dunes)に行く予定だったのですが、Wind Advisory(強風注意報)が出ていて、実際に現地では砂が舞い上がるほどの強風。今回は断念することにしました。

メスキートフラット砂丘周辺で舞い上がる砂
砂が舞って視界が悪く、砂丘は断念

ひとまずビジターセンターへ向かい、旅の予定を立て直すことにします。

Visitor Center

ファーネスクリークの屋外温度計
ビジターセンター前の温度計。

さっそく、温度表示の前でパシャリ!

まだ4月だというのにもう30℃超え……。

しかし、実は気温の公式記録になっているのは、建物の裏側にあるこちらのweather stationです。

ファーネスクリークの観測機器
正式な記録に使われるのはNOAAの観測機器。

世界最高気温を観測した1913年と今では、気温の観測方法はもちろん異なりますが、古い温度計のようなものもまだ残されていました。

Visitor Centerの方に聞いたら、場所は昔と同じじゃないかな、とのこと。

一つの場所で観測を続けるのって、本当にすごいことなんですよね。


さて、Visitor Center内はDeath Valleyについて色々と学べるようになっています。

Geological exhibit and 3D terrain model inside Furnace Creek Visitor Center
館内ではデスバレーの成り立ちを学べる展示が多数

そして、できればここの係の方に、オススメの場所や周り方を聞いてほしいです。

ネットで調べて計画を色々立てるのも大切ですが、現地の方に情報を聞くのも旅の醍醐味だと思います。


夫はすでに6時間ほど運転しているので、ホテルで一旦休んだあと、教えてもらったオススメの近場を回ることにしました(ホテルについては後述しますね)。

ザブリスキーポイント(Zabriskie Point)

Scenic sunrise view from Zabriskie Point in Death Valley
マーブル模様が美しい

ここは子連れにかなりオススメです

“黄金の丘”とも呼ばれ、特に朝日や夕日の時間帯が美しいそう。

黄土色や茶色の縞模様は、かつての水の流れによって作られたもの。


道が舗装されているので、ベビーカーでも上まで登ることができます

私たちが訪れたときは本当に風が強くて、身体が飛ばされるのではないかと思いましたが、通常であればベビーカーで問題ありません。

デスバレーの広大さ、歴史の深さをじっくり感じることができる場所です。

ハーモニーボラックスワークス(Harmony Borax Works)

Ruins of Harmony Borax Works with 20 Mule Team wagon in Death Valley
1880年代にボラックス精製の拠点として栄えた歴史的遺構。20頭のラバが運んだ荷車も再現されている。

こちらもビジターセンターから車で5分ほどのところにあります。

デスバレーの過去を知るうえで欠かせない歴史スポット。

1883年に操業を開始したボラックス(ホウ砂)精製工場の跡地で、当時は「20 Mule Team(20頭のラバによる輸送隊)」で知られていました。


稼働していたのはわずか6年間ですが、過酷な自然環境の中で行われていた産業の歴史や、人々の努力を私たちに伝えてくれます。

現在は、荷車や工場跡の一部が保存されており、解説看板を見ながら短いトレイルで気軽に見学できます。

1974年にはアメリカ合衆国国家歴史登録財にも指定されました。


こちらもベビーカーで歩くことができます。

時間がない場合はスキップしても良いかもしれませんが、歴史や産業に興味のある方にはおすすめです。

他の観光スポットは少し距離があるので、今日はこのままホテルに戻ります。

子連れに嬉しいホテル

立地の良いホテルは、The Inn at Death Valley(高い) とThe Ranch at Death Valley(比較的安い) の2つのみ。

私たちはThe Ranch at Death Valleyに宿泊しました。

The Ranch at Death Valleyのフロント
ホテルのロビー

比較的安いといっても、4月の金~日の2泊で$720(150円換算で108,000円ほど)

1泊5万ですから、LA市内ならもっと良い所に泊まれます。国立公園価格ですね。

ちなみに、同時期のThe Inn at Death Valleyは2泊で$1,100ほどだったみたいです。


The Ranch at Death Valleyは口コミもそこまで高くなかったので、あまり期待はしていなかったのですが…

子連れには、こちらの宿で十分楽しめるのではないかと思いました。

正直、掃除はあまり行き届いていない印象でした。所々ほこりがたまっていたり、床が若干砂っぽかったり。

ただ、ベッドはきれいですし、数日寝泊りするだけと割り切ればそこまで気になりません。

なんせこのカラカラの土地で水や電気が使えるだけでもありがたいですから…!


それに敷地は広く、土産店・アイス屋・レストラン・カフェ・プール・プレイグラウンドがありますし馬もいるので、娘は終始楽しそうでした。

ただランドリーはなかったので、着替えは多めに持っていきましょう!

The Ranch at Death Valleyの売店
飲み物やお土産、日用品までそろう便利な売店。
The Ranch at Death Valleyの屋外遊具エリア
ファミリーにうれしい遊具付きのプレイエリア

子連れでのデスバレーはハードなので、ホテル内で息抜きできるのはありがたいです。

また色々買い忘れても、このホテルの施設で事足ります。

サンドイッチやヨーグルトなど、軽食価格はLAの1.5~2倍くらいですが、そこは致し方ないですね。


夕食は、2日ともビュッフェ形式のレストランを使用しました。

The Ranchのビュッフェレストラン内の様子
砂漠の真ん中で味わうアメリカン料理。落ち着いた店内。

朝食は大人$21。夕食は$29、3歳の娘は無料でした。

年齢も聞かれなかったので、おそらく幼児ぐらいまでは無料なのではないでしょうか。

The Ranchのビュッフェ料金表示
国立公園で温かい食事がいただけるのは嬉しい

この土地で温かい食事をいただけるのは本当にありがたいです。

サラダ、スープ、炭水化物、デザート、メインとあって、

メインのメニューは、1日目の夜はBBQビーフ、ポーク、チキンとアメリカンなラインナップ!

2日目はミートボール(といってもアメリカンサイズ)、オレンジチキン、豆腐のいためものなどでした。

サラダやスープも若干内容が変わっていたので、2日連続でも飽きることなく美味しくいただけました。

デスバレーはかなり体力を消耗しますから、ここでしっかりと食事を摂れたのは大きかったです。

混雑もしていなかったので、子連れでも周りにそこまで気を遣うことなく利用できるかと思います。

これで$29は、アメリカの、しかも国立公園内では、かなりコスパが良いように感じました!


このあと、夫は一人でビジターセンターで集合して星空を見に行くツアーに参加していました。

また、部屋からも星空を見ることができます。子どもが小さくて星空ツアーに参加できなくても、部屋から見られるのはありがたいですよね!

それでは後編に続きます。

また、インスタグラム(@ayako_weather)では日々のアメリカ生活についても投稿しています。

よろしければこちらも覗いてみてくださいね!

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