厚生労働省によると、分娩における帝王切開の割合は年々上昇傾向で、2017年の一般病院での帝王切開率はなんと25.8%!
しかし自然分娩で産む気満々だった私はそんなこととはつゆ知らず、昨年2021年の第一子出産の際は緊急帝王切開となり、戸惑うことが多くありました。
ですのでこの記事では、入院中に取っていたメモをもとに
- 緊急帝王切開手術の流れ
- 緊急帝王切開となった理由
- かかった時間や費用
についてまとめています。
出産を控えている方々やそのご家族のお役に立てれば幸いです。
破水から入院まで
出産予定日の1週間前、陣痛はいつくるのだろうかという緊張感は常にありました。
その日はいつも通り眠りについたのですが、大きいお腹であまり眠れず寝返りを繰り返していました。
そんな中、午前0時半過ぎに「ポン!」という音がしました。
ま、まさか破水?
と思いましたが、特に変化はありません。
再びウトウトしかけたのですが、数分後にタラタラと流れ出し、
これが破水…?破水だよね…
という心境でかなり動揺しました。
この時、まだ陣痛はありません。
すぐに病院に電話し、指示を仰ぎます。
破水なら入院になりますが、ひとまず破水してるか見るので来てください
と、助産師さんから言われました。
助産師さんは当然慣れていますので、落ち着いた声に少しほっとします。
それでもこの時私は、 焦りすぎて
こ、この状況はどうすればいいのでしょうか…?
と聞いてしまい、
ナプキンを当ててきてください~
と言われ、 そりゃそうだ、と自分に突っ込み、急いで夫を叩き起こします。
9割ほど終わっていた入院バッグに充電器などを詰め込むのですが、そうこうしている間にも破水は続きます。
「足りないものがあれば持っていくから!」と夫に言われ、病院へと急ぎます。
車で移動中に、これが陣痛かな? という程度のお腹の痛みが出てきます。
午前1時半ごろ 病院に到着。
破水ということで、そのまま入院になりました。
まだ陣痛間隔が5分以上あったため、夫は一旦帰宅します。
その後も10分間隔くらいで陣痛がくるため、眠いのですがあまり眠れません。
助産師さんが数時間置きに赤ちゃんの心拍を確認しにきてくださいます。
入院から陣痛がくるまで
午前8時
陣痛の間隔はあまり変わらず、痛みが強まることもなく朝を迎えました。
朝食を摂ったあと、陣痛は少し落ち着いてしまいます。
正午
昼食も普通にいただきました。私はなぜ病院にいるのだろう?と少し不安になります。
医師の許可が下りたため、陣痛を促すために助産師さんと20分ほど院内を歩きます。
不安なことなどを聞いてくださり、少しほっとしました。
午後3時半
おやつにチョコケーキが出ました。
こんなにも手厚いのかと感心しつつ、美味しくいただきます。
痛みはあるものの歩けないほどではなく、
これはもはや陣痛ではない…
と助産師さんに言われます。泣
助産師さん曰く、赤ちゃんの頭は下がってきているので状態は悪くはないが、陣痛次第とのこと。
このまま陣痛が本格化しなければ、明日から陣痛促進剤を使うことになると言われます。
午後6時
夕食をいただいた後、陣痛間隔が短くなり、痛みもだんだん強くなっていきました。
午後9時ごろ
陣痛間隔が5分ほどになったため、夫を電話で呼びました。緊張感も高まっていきます。
まさかの緊急帝王切開へ
午後10時~11時
助産師さんが付きっ切りで看てくださいます。
いよいよということで、すでに到着していた夫と一緒に分娩室に移動。
このまま陣痛が進むのかと思いきや…予想外の出来事が起こります。
そう、赤ちゃんの心拍が、たまに下がるのです。
ドラマでよく聞くボーンボーンというあの音が響きわたり、内心とても焦ります。
すぐに正常に戻っては赤ちゃんの心拍が下がる…ということが3回ぐらい、20分ほど続きました。
途中、助産師さんが医師を呼びに行きます。
この時点での子宮口の開きは3センチほどで、赤ちゃんが出てくるにはまだまだ時間がかかりそうです。
医師がエコーを確認します。 原因は分からないが、羊水が少なくなってきていて、苦しいのかもと言われます。
赤ちゃんは無事に生まれるのでしょうか!?
まさか後遺症が残ったりするのでしょうか!?
と聞きたい気持ちでいっぱいでしたが、陣痛の痛みでそんな余裕はありません。
深夜のため病院内に医師は一人だけ。
ここまでくると予想はできていましたが、
待機している医師にも相談するが、帝王切開になるかもしれない
と告げられます。
夫が「大丈夫です」と答え、医師は一旦その場を離れます。
私のせいで赤ちゃんが苦しんでいるのかと思うと、とてもやりきれない気持ちになり、
ごめんごめんと謝ることしかできませんでした。
数分後に医師が戻り、相談の結果、やはり帝王切開に切り替えたいとのこと。
”オンコール”といって待機している医師や助産師さんが呼ばれ、バタバタと手術の準備が始まります。
医師から、周りに他の臓器もあるので傷つくことがあるかもしれない、
第二子以降も基本的には帝王切開になるなどの説明を受け、夫が手術の同意書にサインします(後日入院中に私もサインしました)。
その間も着々と手術の準備が進み、足のむくみを和らげる弾性ストッキングをはかされたり、しばらくトイレに行けないため尿道に管を入れられたりしました。
もちろん陣痛は続いていますので、もう身体はボロボロです。
時刻は午後11時を過ぎていました。
午後11時半までにもう一人の医師が到着するので、
深夜0時までには手術を開始できそうです。
冷静に考えればとても迅速でありがたいのですが、当時はその時間がとてつもなく長く感じられました。
午後11時半前
もう一人の医師が到着し分娩室に入り、「大丈夫ですから」と声をかけていただきました。
私は助産師さんや夫に抱えられながら車椅子に移動し、手術室へ向かいます。
手術台を見て再び、あぁ、ドラマでよく見る光景…と思いつつ、 ”手術”なんだなと感じました。
他人に自分(と赤ちゃん)の命を預けるのは初めてなので、率直に言って怖かったです。
ついに……赤ちゃんと対面!
午後11時40分ごろ 手術開始
麻酔の麻酔をしたあと腰椎麻酔を打たれ、足がぽかぽかしてきました。
麻酔はしているので痛みはありませんが、お腹をメスで触られる感覚はあります。
10人ぐらいのスタッフの皆さんが自分と子どものために頑張ってくれていることに申し訳なさを感じます。
大丈夫大丈夫、と声をかけ続けてくださいます。
午後11時55分
ぐっとお腹を押さえられながら赤ちゃんがお腹から取り出され、その後数秒で赤ちゃんの泣き声が響きわたりました。
麻酔は効いているのに、お腹を押さえられたり、赤ちゃんが出てきたりするのは分かります。
助産師さんが赤ちゃんを私の見える所まで運んでくれて、 ようやく赤ちゃんと対面です。
赤ちゃんの顔を見たら、自然と涙がこぼれました。
赤ちゃんが苦しがっていた驚きの理由 へその緒が5重に!?
その後は完全に麻酔が効いて意識を失い、縫合などに入ります。
目が覚めた時、翌午前1時前でした。
手術は無事に終わったのだ、赤ちゃんも私も生きているのだと分かり、とてもほっとしました。
ベビー室の中で保育器に入る我が子をガラス越しに見ながら病室に運ばれます。
私はぼんやりと意識が戻っている状況です。
後日医師に聞いたのですが、赤ちゃんは首にへその緒が5重にも巻かれていたため、苦しかったそうです。
あのまま普通分娩で頑張っても赤ちゃんは苦しいだけだったので、 早々に帝王切開に切り替えてよかったと言われました。
医師は40年以上のベテランでしたが、へその緒が5重に巻かれているのを見たのは2例目だったそうで、
珍しいから写真を撮っておけばよかったと言っていました。笑
私も見てみたかったです。
帝王切開手術にかかった費用
気になる費用ですが…帝王切開は保険適用なので出産一時金の42万円を大きく超えることはないのではと予想していましたが、高額で驚きました。
保険適用となる手術、入院、麻酔、注射などが合計約860,000円。
保険外負担となる分娩介助料、新生児管理保管料などが合計約430,000円。
ということで、私が退院日に窓口で払った金額は、
診療費合計約860,000円×3割+(保険給付外約430,000円 ー 出産育児一時金420,000円)=約268,000円 でした。
もちろん病院によって大きく異なりますし、私は夜間だったこともあり割高になっているようでした。
ただ、高額療養費制度がありますので、2~3か月後ぐらいに負担上限額を超えた分は口座に払い戻され、
実際の自己負担額はもっと少なくて済みました。
高額療養費制度については、詳しくは厚生労働省のホームページをご確認ください。
私は自己負担額が分からず不安だったので、体中が痛いにも関わらず、入院中に高額療養費制度についてかなり調べることになりました。
あらかじめ目を通しておくことをおすすめします。
まとめ
夜間の対応にあたってくださった病院スタッフの皆様や、苦しくても頑張ってくれた我が子に感謝です。
手術自体の時間は1時間ほど、一旦支払った金額は約268,000円でした。
帝王切開の流れについて事前にもう少し理解していれば、入院中に不安になることがもっと少なくて済んだのかなと思います。
この記事が一人でも多くの方のご参考になれば幸いです!
傷の痛みや帝王切開手術の入院生活については、後日アップします。
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